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 インテル45nmプロセッサの認可について(2008年9月3日)


 2007年末に発売したCore 2 Extremeプロセッサに加え、2008年1月インテル(Intel)は立て続けに7種の45nmデスクトップ向けプロセッサをリリース、同社が2008年年初の時点にはすでに45nmプロセス商品発売の手はずを整えていたことがわかる。

  しかしながら、2008年中国市場は順風満帆とはいかず、年初および中ごろの2件の自然災害と国際経済の不景気がIT市場発展の妨げとなり、全市場が伸び悩んだ。特にコンピュータパーツチャネル市場規模は明らかに縮小しており、今年のCPU市場第2四半期は昨年同期比9.3%減となった。またDIY市場はもともと盛り上がっていなかった上に地震災害が重なったため、第2四半期は第1四半期と比べ6.4%減となっている。

  インテルの先進的なプロセスに注目
  ここ2年の発展を見てもコア・アーキテクチャー(Core 2 Duo)のリリース以来基本的に順調である。さらに昨年末の45nmプロセスの発売によりトップの座をゆるぎないものにしている。同製品は技術と規格上で前世代の65nmプロセスより優れているだけではなく、クロックアップの潜在能力の面から見ても本質的にレベルが上である。このような本質的な技術革新は消費者にとっても喜ばしく、特にDIY市場の消費者は新技術に敏感なため、冷え切った市場にも暖かい風を吹き込むことになった。またインテルのCore 2 Duo E8200 BOXは、多くのIT専門サイトにおいて数ヶ月の間に人気ランキングTOP3入りを果たした。

  45nmプロセッサの認可
  もし、この前リリースされたCore 2 Quad Q9000系プロセッサがハイエンド市場に向いているのであれば、E8000やE7000系プロセッサがインテル45nm商品のミドル・ローエンド(一般)市場向けとなり、一般人にとっても手が届くようになるだろう。消費者は自ずと同じ価格で更に高性能な商品を選択するからである。さらに45nmプロセスはコスト面でも有利なため、ミドル・ローエンド市場の中でインテル45nmの新プロセッサは高い競争力を持つだろう。

  マイクロプロセッサ業界において、間違いなくインテルがパイオニアであり、その強力な力は技術面のみならず、市場においても発揮されている。つまりインテルは市場の「支配者」と言っても過言ではない。さらに最大のライバルであるAMDが45nm商品をまだ発売していないため、インテルが絶対的優位に立っている。価格変更なしの前提で同レベルの性能の商品を発売すれば、インテルは大部分のシェアを占めることが可能となるだろう。このような状況ではあるが、インテルも心配事が全くないわけではない。その最大のものが自社の生産能力なのだが、最新の情報によると、イスラエルに28号工場が完成、9月に正式に操業を開始予定で、これは3番目の45nmチップ工場となる。生産能力の拡大に伴い、商品のラインナップも徐々に豊富になるため、2008年年末までに45nmプロセッサは小売市場でのシェア50%を達成すると賽迪顧問(CCID)は予測している。つまりインテルがこの分野最大の勝者であることは間違いないのである。


  • 発行者:CCID(賽迪顧問)コンピュータ産業研究センター
  • データ :CCID(賽迪顧問)2008年7月
  • 邦訳者:CCID(賽迪顧問)日本事務所
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