中国Bizコラム・CCIDの眼

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 2008年上半期中国デジタルカメラ市場の回顧と展望(2008年12月18日)


 2008年上半期、「雪害」と「?川大地震」に遭遇した影響もあったが、「オリンピック効果」は中国デジタルカメラ市場を引き続き盛り上げることとなり、オリンピック前夜は各メーカーが続々と市場の拡大と販促の力を強め、市場の占拠をシェアしながら「オリンピックの盛大な宴」を分かち合った。CCID(賽迪顧問)の統計に示されるように、2008年上半期中国デジタルカメラ市場は引き続き安定成長を保った。デジタルカメラの価格が引き続き低下したことと各大手メーカーが積極的に市場を拡大していったこと、及び製品の性能が常に良くなっていることもあり、市場は引き続き順調な発展体勢を維持している。

  CCID(賽迪顧問)の分析結果によると2008年上半期中国デジタルカメラ市場は以下4つの大きな特徴が見られた。
 
 1、市場は引き続き発展し、伸び率31%に達した
  中国の潜在市場と比較すると、現在のデジタルカメラ製品の基礎的な数は、依然として小さく、市場はまだ飽和状態とは程遠い。三四級都市で更なる開拓も望まれており、2008年は引き続き伸びを維持している。CCID(賽迪顧問)の統計でも示されるように、2008年上半期の中国デジタルカメラ市場の総売上数は494.09万台で、前年同期比31%増、売上額は99.88億元、前年同期比13.3%増であった。

08年上半期中国デジタルカメラ市場売上

 2、キヤノンは依然1位を占め、愛国者は引き続きトップ10入り
  2008年上半期、キヤノンは更に一歩デジタルカメラ市場のトップの座を確実なものにしており、市場シェアは2007年同期の26.5%から2008年には28.2%にまで上昇し、SONYが2位をキープ維持、その突出した製品の攻勢でシェアは上昇している。
 
  その他、サムスン、オリンパス、ニコンは中国デジタルカメラ市場で5位以内に入ったが、コダックの市場順位は下降した。国内ブランドの愛国者はずば抜けた価格の強みと強力なブランド宣伝、さらに独自のルートといった努力もあり、中国デジタルカメラ市場の10位に入り、全年同期から比べても明らかに成長した。

08年上半期中国デジタルカメラ市場ブランド構成

 3、高画素DCの成長が明らかで、800万画素以上の売上が60%を占める 
  2008年上半期の中国デジタルカメラ市場を見ると、製品とチャネルの改善により価格が下がり、製品の品質も急上昇した。2008年上半期中国デジタルカメラ市場の製品画素の構造から見ると、800万画素以上の製品が比較的豊富にあり、価格も突出していて、市場の絶対的な主流となり、シェアは63%まで達した。600万画素以下の製品は価格では優勢ではあるが、市場が製品の性能の改善を要求している中において、売上は次第に萎縮しており、市場における比率はすでに2007年H1の12.1%から1.5%まで下がった。高画素製品の豊富さと価格の低下により、800万画素以上の製品はさらに伸びていくであろう。

  2007年と2008年上半期の同期の各画素数の比較を見ると、700万画素が重要なボーダーラインとなっており、700万画素以下のデジタルカメラは同期と比較しても下げ幅が大きいが、700万画素以上は逆に伸びており、中でも800万画素以上の伸び幅が最も大きい。

08年上半期中国デジタルカメラ市場画像レベル

 オリンピックの恩恵により、2008年下半期の中国デジタルカメラ市場の規模はさらに拡大し、CCID(賽迪顧問)は2008年下半期の中国デジタルカメラ市場は以下の三大傾向を現していくであろう。

 1、コンシューマ用デジタルカメラの技術の進歩には依然限りがある
  現在の中国のコンシューマ用デジタルカメラ市場は、新製品の発表、市場拡大、マスコミの声や販売ルートで市場は依然として画素数、ズーム、画面サイズ、外観デザイン等に方面に進んでいるが、技術の応用や発展の方面では表面で識別できる技術や画素修復の機能以外ではあまり多くのはっきりした特長がない。

  CCID(賽迪顧問)は、高画質、高画素製品が次第に浸透していき、オリンピック商戦の影響で、デジタルカメラメーカーは製品技術と応用の面で、デジタルカメラの発展へ向けてさらに一歩進んだ研究を推し進め、中国デジタルカメラの普及率もさらに一歩発展させ、デジタルカメラの上昇に向けて依然高い水準を維持しているであろうと予想している。よって、デジタルカメラ市場は正常な研究を進める方向へと前進していくだろう。

 2、ノーブランドの「模造」カメラが、ローエンド市場でトップの地位を獲得できるであろう
  聯発科の携帯電話市場での成功は、そのほかの科学産業もコピーすると期待できる。聯発科は「模造」カメラのICチップ市場への介入により、大いにデジタルカメラ産業の生態を変える可能性があり、それを引き金にデジタルカメラ下請けメーカーやブランドメーカーに大きな変化をもたらすであろう。
 
  「模造」カメラは、品質ではあまり期待されていないが、その機能は非常に豊富で、デザインもかなり斬新で、さらに価格が非常に安く、中国の最も多元化している市場の特徴と広域な市場ニーズにより、特に庶民レベルに適している。CCID(賽迪顧問)は「模造」カメラがその独自の競争力により、中国の最も広い庶民階級のユーザー市場においてトップの地位を獲得することができると見ている。

 3、オリンピックの年、デジタルカメラの主流はやはりハイビジョン
  2008年中国オリンピックの年、すべての社会生活において、高画質時代に入った。オリンピックは高画質のテレビ、高画質DVD、デジタル映像産業の発展を促進した。
 
  2008年以来、国内市場のソニー、オリンパス、キヤノン、サムスン等の主流デジタルカメラブランドの新商品の競争は激しく、その中でも高画質の新商品が絶対的多数を占めている。パナソニックは更にハイビジョンデジタルカメラ規格を率先して打ち出した。ハイビジョンは画質の良さと映像設備技術の進歩の代表であり、価格の更なる低下と消費ニーズの明確化により、ハイビジョンマルチメディアポート標準のHDMIやDisplay Portは競争を続けていくが、「ハイビジョン」が多くの電化製品の必要な要素になることは変えられない消費の流れであるから、未来の中国デジタルカメラは高画質時代を迎えるであろうと予想できるのである。

  • 発行者:CCID(賽迪顧問)コンシューマ・エレクトロニクス産業研究センター総経理 韋玉懐
  • データ :CCID(賽迪顧問)2008年8月
  • 邦訳者:CCID(賽迪顧問)日本事務所
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