4兆元投資が注目業界における ITアプリケーション市場を推進している

 

　 2009 年中国業界ITアプリケーション市場は着実に成熟を続け、市場規模は拡大を続けている。政府の4兆元投資計画は鉄道、民用航空、電力、医療、環境保護などの業界において ITアプリケーションの導入を推進している。その中でも鉄道や道路などのインフラ建設と都市電力ネットワークの構築には1.5億元投資され、 哈大、武広、南広、貴広鉄道などの建設プロジェクトを加速させている。すでに445キロメートルにおよぶ高速道路と 10万平方メートルの民用航空ターミナルの建設に成功し、都市電力ネットワークの構築も加速されている。中国政府は医療衛生や教育文化など社会事業の発展にも1,500万元を投資した。具体的な事業内容は 6,500の基本医療衛生サービスプロジェクト、1,140の基本計画生育サービスプロジェクト、 6の重点中医病院、約150万平方メートルの農村中学校の改築、約90万平方メートルの中等職業学校の建築、1,246の郷鎮総合文化ステーションの建設などがある。さらに省エネ・廃棄物削減と生態建設には 2,100億元が投資された。それにより 2,900万 畝の営造林の建設は加速され、汚水処理能力は285万トン /日、ゴミ処理能力は3,155トン/日、COD 削減量は約6.5万トンへと拡大した。 これらのプロジェクトの成功により、現在中国は616万トン標準の省エネ能力、1.2億トンの節水能力、270万トンの廃棄物循環利用能力を備えている。

 

　 図1 2009年主要業界 IT投資規模と成長状況

　 データ出典： 賽迪顧問（ CCID） 2010.2

 

　今後 3年、新アプリケーションは業界 ITへの投資を促進するだろう

 

　 2010-2012年 IT化は加速し、各業界における IT投資規模は成長を続けるだろう。鉄道、民用航空、電力、医療、環境保護などの業界が ITアプリケーション市場の新たな成長点となる見込みである。業界 ITアプリケーション技術はコンパイレーション、インテリジェント化、グリーン化、仮想化、モバイル化、標準化などの発展傾向にあり、市場競争はさらに激しくなるだろう。グリーン ITと「二化融合」における発展チャンスを掴み、総合的な専門サービス能力を向上させることが業界 IT市場における競争に勝つための鍵である。

 

　 図 2 2010-2012年主要業界 IT投資規模予測

　 データ出典： 賽迪顧問（ CCID） 2010.2

 

　 重点業界における IT建設は市場の発展方向に影響を与えるだろう。

　 鉄道：　鉄道建設への巨額投資は鉄道の IT化に大きな発展チャンスを与えている。高速鉄道の建設は加速され、技術設備レベルは向上しており、今後 3年の間に旅客輸送専用線、旅客サービスシステム、「動車組」情報管理システム建設の加速は進むだろう。現在同時に鉄道安全監督管理、専門化管理、建設プロジェクトの管理など情報システムの建設を推進しており、安全保障能力の向上に努めている。切符の販売・予約システム及び旅客サービスシステムの改善にも着手している。

 

　 民用航空：民用航空業における IT建設の重点は新世代航空運輸システムになるだろう。具体的には空中管制システム、気象サービスシステム、航空会社の IT化、公共情報ネットワーク基盤、電子商取引と電子チケットシステムの建設に着手している。さらに航空情報システムの安全を重視し、全業界のデータ融合・バックアップなどの加速化に努めている。

 

　 電力：　「十一五（第十一次五ヵ年計画）」終了後、電力企業は「十二五」計画期間へと入り、 IT化建設は一層強化されるだろう。スマートグリッド（次世代電力網）の登場により、電力業界の IT化建設は加速し、投資需要は大きく刺激されると予想される。スマートグリッドの IT化が市場の注目点となり、管理の IT化・自動化は進み、サービスと情報の一体化が今後電力業界 IT化の発展方向となるだろう。

 

　 医療：　過去 3年間にわたる 8,500億元投資による刺激の下、新医療改革の中心の一つである IT化は巨大な市場チャンスを作り出すだろう。公共衛生サービスシステム、医療サービスシステム、医療保障システム、薬品サプライ保障システムの「 4大システム」の建設過程において情報技術は重要な役割を担っている。地域医療による需要は今後数年の間に医療業界 IT建設の大きな牽引力となり、医療業界への IT投資はさらに加速するだろう。プライバシー保護や電子カルテなどの管理方法と関連法規により中国医療業界 ITアプリケーション市場の発展は規範化され、医療衛生業務における ITアプリケーションはさらに広範に及んでいる。それによる ITサービスの成長は市場の新たな成長点となるだろう。

 

　 環境保護：　まず、国家環境管理監督能力と情報プラットフォームは連結し、国家・省・市・区県各レベルの環境監督管理能力と情報プラットフォームの建設を通して能力建設の一貫性、総体性、共同連動性を向上させている。次に、新聞発布、汚染指数と政務情報の公開、ワンストップ式サービスなどの総合的な環境保護電子政務システムの建設が要求されている。さらに、 ITサービスが IT化投資の新たな焦点となっている。環境保護業務が重要視されるに伴い、どのようにデータ伝送の安定性、業務の一貫性、情報の信頼性などを保障するかが環境保護業界の注目する焦点となっている。

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