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中国ICTコラム

中国におけるe-ビジネスの行方:発展状況及び戦略(2011年2月10)


 

 1、中国におけるe-ビジネスの発展状況及び問題点

  2008 年、金融危機が各国を襲い、世界経済に深刻な影響を与えた。中国においても輸出加工に従事する中小企業に対する影響が大きく、受注の減少や資金回収の遅延が原因で経営状態は悪化し、生産の停滞と在庫品の増加が引き起こされた。その結果、珠江デルタと長江デルタ地域において、多くの中小企業が倒産に陥った。 2009年、中国は金融危機の影響を最大限回避することに成功したが、悪影響を受けたことは事実である。大規模な経済刺激政策の導入に伴い、 1年間の調整を経た 2010年、中国経済は景気回復の兆しを示した。中国経済は金融危機から脱却し、急成長を遂げており、世界の注目を集めている。

 

 金融危機から一つ得たことと言えば、深刻な衝撃に直面したことで、中国 eコマース市場の問題点が明らかになったということである。それは、従来の商取引メカニズムの影響で、加工製造に従事する中小企業は、生産や受注情報の管理の面で時代遅れとなっており、国際市場が求めるレベルを実現させるのは困難であるということである。中国において eコマースは市場メカニズムに基づいた運営がなされてはいるが、政府機関の管理監督機能が未熟なため、信頼できるシステムは未だ構築されていない。また、関連法律制度の構築も遅れているため、中国における e - ビジネス は一貫性に欠けている。 アリババや慧聡網( HC360)などのウェブサイトは国内市場において成功を収めているが、未熟なシステムの下、顧客を保護することは極めて難しい。また、現在中国において電子化されているのは基本的に取引の初段階のみに過ぎない。政府によるサポートが不足しているため、商品検索〜価格検索〜契約締結〜配送〜セキュリティ認証〜電子決済〜通関検査など取引全プロセスのペーパーレス化は未だ実現していない。

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