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中国太陽光発電は「冬」の時代 政府・企業間の連携を(2012/06/07)

 世界の太陽光発電市場の伸びは大きく減速 川上の多結晶シリコン原料の生産能力過剰が深刻

 

 欧州の一部の国で補助政策の見直しが行われたことや債務危機の影響を受けて、2011年の太陽光発電設備設置容量の伸び率は大幅に下落。設備容量は前年同期比僅か62.9%増の28.5ギガワットで、2010年の伸び率130.3%を大きく下回った。

 

 図1 2006−2011年の世界の太陽光発電設備新規設置容量と伸び率

 

 多結晶シリコンの生産には高度な技術が必要なことから、生産能力の大部分はこれまで米MEMCやヘムロック・セミコンダクター、ノルウェー・REC、日三菱電機、独ワッカーケミーといった企業に抑えられてきた。特に2010年に太陽光発電市場が爆発的な成長を遂げて以降、2011年前半には各メーカーがこぞって設備を拡大、同年の世界の多結晶シリコン材料生産量は22万トンに達した。しかし、欧州債務危機の影響で世界市場に急ブレーキがかかり、生産能力の過剰が続く事態となっている。同年初頭の70ドル/kg前後から年末には30ドル/kg前後に下がるなど、価格も大幅に下落。下げ幅は50%を超えた。

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