中国Bizコラム・CCIDの眼

中国ビジネスの眼

外資によるM&Aへの中国的視点(13/11/06)

 化粧品世界大手のロレアルは2013年8月、フェイシャルパック業界でここ数年頭角を現している中国本土ブランドの美即を65億香港ドルで買収すると発表した。ロレアルの中国本土企業買収は小護士(MININURSE)、羽西(YUE SAI)に次いで3社目。中国では2000年から外資による国内企業のM&Aが相次いでいるが、ここ数年、新たな展開が起きている。第一に、国家戦略産業への関心の高まり。第二に、株式譲渡によるM&Aの増加。第三に、ルートと方式の多様化、投資主体の多元化である。ただ産業への参入、商務部による審査、法律など多くの面で課題が生じており、M&A過程でのリスクの認識・管理が求められる。


 一、政策的制限:産業保護政策への注視が必要


 国内経済の発展のために国外資本をうまく誘導しながら本国経済の外資に対する過度の依存を防止するために、多くの国が外資によるM&Aに対して産業政策による一定の規制を設けている。外資の参入を禁止または制限する業界や分野を定めている。経済の急発展に伴い中国は外資によるM&Aの格好のターゲットになっており、ここ数年でM&Aに使われた費用は平均50%を超すペースで増加。国境を越えたM&Aが中国の重要な外資利用形態になっている。


 中国では「外国企業産業投資指導目録」で外国企業の投資・持株を禁止する産業を定めている。外国企業の対中国投資項事業を奨励、許可、制限、禁止の4つに分け、それぞれを詳細に規定。中国の上場企業への・・・ 続き>>、文字数:4,745、図:1、表:1


  • 寄稿 :CCID(賽迪経智)M&Aコンサルティングセンター総経理 申 燕
  • 監修:ファーイースト・パートナーズ株式会社(CCID日本事務所)
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