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中国でも開発が進む「コネクテッドカー」―自動車の産業革命(14/2/10)

 インターネットと従来の業界との融合に注目が集まっている。業界を超えたこの動きが画期的な変化をもたらしている。包括性と開放性を特徴とするインターネットは、業界の革新を導く巨大な動力を内在させた、いわば情報の強大な「エネルギープール」である。小売販売業と融合することでeコマースを活性化し、製造業との融合では中国のスマートフォンメーカー「小米 (Xiaomi シャオミ)」にみられるような製造業の新しいスタイルを生み出している。また、金融との融合はインターネット金融サービスとして結実し業界のトレンドとなり、資本の合理的な活用と効率の向上につながっている。そして、自動車との融合では 「コネクテッドカー」の誕生を促し、自動車産業に革命をもたらしている。


 では「コネクテッドカー」とは一体何なのか? いわゆるコネクテッドカーとは人に代わってコンピュータが操作する自動車である。インターネットを通じた無線通信によりスマートフォンのように末端化され、「人-車-道路-環境」の調和によりモバイルデバイス化された自動車だ。開放と包括というインターネットの発想では、システムは一人に一つではない。だが、コネクテッドカーはハードウェアレイヤのデータをオープン化しつつも、ドライバーのアプリケーションを優先。車両の内部データ、保守メンテナンスのリマインダ、故障コードの復元、運転アシストなどの情報を直接的なビジュアルによりドライバーに提供する。具体的にはETC、TEMEATICS、自動運転などの機能がある。


 還暦を迎えた中国の自動車工業の歩みは大まかに二つの段階に分けられる。ほぼゼロから立ち上げて産業の基礎を築いた最初の30年と、輸入販売・合資・自主生産の3タイプがせめぎ合う今日の競争態勢が形成された次の30年である。しかし、


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  • 寄稿:CCID(賽迪顧問)ソフトウェア・情報サービス研究センター
  • 監修:ファーイースト・パートナーズ株式会社(CCID日本事務所)
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