中国Bizコラム・CCIDの眼
2013年は中国でビッグデータが急発展した年だった。情報消費の促進やスマートシティの建設に向けた一連の国家政策に後押しされる形で、ビッグデータ利用の実現が急速に進んだ。人々はビッグデータの利便性を実感し、ITベンダーにとっては新たな成長市場となっている。しかし、データセキュリティ、個人情報漏えいなどビッグデータのマイナス面も認識されており、政府の支援なしには多角的な応用は難しい。ビッグデータ産業発展の青写真をいかに描くかが政府の課題である。
一、急速に進むビッグデータ利用
2013年後半、阿里巴巴(アリババ)、百度(バイドゥ)、騰訊(テンセント)などがインターネット金融商品を次々と打ち出したことで、一般の人々もビッグデータのメリットを具体的に体験し始めている。実は、ビッグデータ利用はインターネット分野に限られたものではなく、データ集約型のその他の業界にも広がっている。例えば、銀行ではクレジットカード顧客の全ライフサイクルのサポートに、保険会社では顧客マーケティング戦略の策定に、電気通信分野では顧客の行動パターンの把握に、セキュリティや防災に対応した都市である「平安都市」では交通渋滞の緩和にそれぞれ用いられている。
図1. 2012-2015年の中国のビッグデータ利用市場の規模
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