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富井 伸行

上海智造空間有限公司 総経理特別助理。


京都生まれ。札幌学院大学卒業。ニトリで17年修行を積む。(日本勤務10年+中国勤務7年。海外商品開発部長、海外品質部長、海外物流部長)その後、拠点を本格的に中国に移し、一伍一拾(イーウーイースー)中国版100円ショップ285店ローカル企業現職。営業本部長を経て、董事長直轄となり日本式最新モデル店舗を続々展開中。売上をUPさせた状態での標準化づくりの責任者。勤務時間外を使い、週20時間売場に立ち、ワーカーと作業し、お客を観察しつづけている完全現場主義者である。

中国No.1スーパーマーケット、RTマートの強み(第十一話)

 従業員のココロをぐいっとつかむ


 サブ通路の幅は4メートル、そして主通路の幅は5メートルこれを無駄なスペースと思わず、お客さんにとって必要と割り切る。この腹の太さが「従業員を大切だ」と言い切り、それを実践し続けられる企業力の源である。従業員の心をきっちりつかむ。やる気を起こさせた後、その気持ちを維持継続させ店を回す。この人事制度とそれを支えるITシステムを有機的にうまく組み合わせることができれば、必ず店は好循環で運営できる。工場も同じ。いくら生産ラインが効率よく設計されていてもそこで働く人が気持ちよく働きつづけられる環境でなければ、人がばたばたと変わりつづけて人からマネジメントが崩れ、生産が安定しなくなる。


 RTマート最終回。この最終回を書き上げるために、本日仕事の帰りに上海郊外(松江)のRTマートへ行き現場感覚を味わった。その方がこの最後の原稿をリアルな臨場感を持って描けると思ったからだ。従業員の心を一瞬つかむのは、それほど難しくない。しかし、その心を安定維持継続してつかみ続けるのは奇跡的に難しい。9年間中国で働いた筆者個人としての実感である。目を離すと、手を止めていたり、ネットで波乗り、オフィスで買い物?おいおいゲームかい。熱しやすく、冷めやすい。どうも隣の芝生がたいそう青く見えるらしい。このように秋の空のような従業員たち。RTマートは、いったいどんな方法で従業員の心、気持ちをつかみコントロールしているのか。いかにして従業員のモチベーションをコントロールするか。最終回にふさわしいテーマだと思っている。ベクトルを合わせるだけでは馬は疲れて走るのをやめてしまう。


 RTマートの社員に対する考え方。「社員は励ますべき、叱るべからず」

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