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富井 伸行

上海智造空間有限公司 総経理特別助理。


京都生まれ。札幌学院大学卒業。ニトリで17年修行を積む。(日本勤務10年+中国勤務7年。海外商品開発部長、海外品質部長、海外物流部長)その後、拠点を本格的に中国に移し、一伍一拾(イーウーイースー)中国版100円ショップ285店ローカル企業現職。営業本部長を経て、董事長直轄となり日本式最新モデル店舗を続々展開中。売上をUPさせた状態での標準化づくりの責任者。勤務時間外を使い、週20時間売場に立ち、ワーカーと作業し、お客を観察しつづけている完全現場主義者である。

第十四話 中国IKEAから見出す、中国で売るヒント(その3)

 IKEA(日本)→ディズニーランド(マジック)→IKEA(中国)→小売(中国)


 千葉県にある東京ディズニーランドに行かれたことがあるだろうか?あの空間が持つ不思議な『オーラ』というものを言葉で説明するのは難しい。ディズニーランドは雑誌や本、DVDなどを見たところで、あの独特な雰囲気を感じとり、共有することはできない。(ネット販売とリアル店舗の差異はここにあると思っている)幕張駅に着き、改札口を降りた瞬間から『マジック』は始まる。入場ゲートから特別な雰囲気に包まれる高揚感は、なんともいえないものがある。内側から湧いてくる、寝る前の布団に入る際ときどき出てくるはしゃいだ気持ち。武者震いのような『期待感』。子供を喜ばせるために、「めんどくさいな,並ぶしなあ」と思いながら連れてきたはずなのに自分が盛り上がっているのに気づき笑みが浮かぶ。この言葉にできないなんとも言えない『マジック』は偶然に発生したものではない。計画的に用意された必然なのである。実は、全てのお客が同じような気持ちになるように具体的に想定され、その効果を最大にするために緻密に設計されているものなのだ。


 巷には、『ディズニーランドの秘密』的な本がたくさん出回っている。その中には『マジック』をつくる仕掛けがわかりやすく説明されている。この上手に仕掛けられたディズニー『マジック』を小売店舗にうまく落とし込んでいるのがIKEAである。


 リアルだからこそつくれる『マジック』それをどう活かすか中国小売業にとって大切なのは、『マジック』。簡単に言うと『ワクワク感』高揚状態をつくりだせる店舗であるかどうか。『ワクワク感』は、リアル店舗だからこそ生み出せる強みである。それを最大限引き出すためにどうするか。ここが自社としての考えどころである。ここで日本人が世界に誇れる能力  >> 続き

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